日常生活の中で突然病気やケガで入院することになってしまった!
こんな時はとても慌ててしまいますよね。
入院の準備や家族のケアも心配ですが、まずは「お金のこと」が気になる方も多いと思われます。
この記事では病気やケガでの入院時に還るお金について書いていますので、気になる方はぜひ読んでみてください。
病気やケガで入院したらどうなるの?

例えばあなたが会社員であれば、まず休職になること・収入が途絶えてしまうことが心配になるはずですが心配はいりません。
国からの支援として補助金が支給される制度があるのです。
これが【傷病手当金】と呼ばれるもので、病気やケガで働けなくなった際に健康保険から支給される給付金のことです。
傷病手当金とは?
健康保険の被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度です。
病気やケガから退院したら【すぐに傷病手当金の申請をすること】をおすすめします。
この制度は病気やケガで働けなくなった際に、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されるものです。
業務外の事由による病気やケガの療養で仕事を休んだ日から連続して3日間の後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。
この傷病手当金が支給される期間は、支給開始した日から最長1年6ヵ月であり、この期間内に仕事に復帰した期間があれば、その復帰期間も1年6ヵ月に含まれます。
また1年6ヵ月を超えた場合は支給されないので、これ以上の長期入院をする場合には注意が必要です。
標準報酬月額とは
ではどれくらいの金額が返ってくるのでしょうか?
支給金額は、以下の計算式で算出されます。
支給開始日以前の継続した12ヵ月 間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3 となります。
わかりやすく言うと
「平均して求めた月収額を1日分で割ってから入院した日数分をかける」です。
では次に【標準報酬月額】について解説します。
健康保険や厚生年金保険の保険料を計算するために、月々の給与を一定の範囲ごとに区切ったものを標準報酬月額と言い、詳しくは以下になります。
- ・その年の4~6月の3ヵ月間の給料の月平均額(ポイントは4月から6月というところです!)
- ・基本給・残業手当・家族手当・通勤手当・精勤手当・管理職手当などを含む
- ・ボーナス(年3回以下の場合)・臨時的なインセンティブ・お祝い金などは含まない
簡単なモデルではありますが、算出例を挙げてみます。
※2022年度・東京都で4月の給料が31万円、5月の給料が27万円、6月の給料が32万円の場合ならば
(31万円+27万円+32万円)÷3ヵ月=30万円 これが標準報酬月額となります。
より詳しく知りたい場合は、以下の情報もご参照ください。
- 標準報酬月額とは?決め方や社会保険料との関係をわかりやすく解説 – OBC: https://www.obc.co.jp/360/list/post220
そもそもなぜ標準報酬月額が決められているのかと言うと次の3点になります。
- 保険料の計算を簡略化するため
- 公平な保険料負担を実現するため
- 将来の年金額を計算するため
とさまざまな金額を計算する際の基準となるためであると言えます。
その他にも標準報酬月額のポイントとしては以下の2点が挙げられます。
- 給与を等級に区分すること
- 毎年見直しされること
1については、実際の給与額を、あらかじめ決められた等級に当てはめて決定します。
2については原則として、年に一度、4月から6月の平均給与をもとに見直しがあります。
会社員である方なら、毎年書類を渡されるのでご存じの方も多いでしょう。
自分の場合の経験談について

休業4日目から休業補償が付く
私の場合、は昨年11月に胸膜炎(肺の外側に水がたまる症状)で緊急入院しました。
その際に、職場の有給休暇が残り3日間しかなかったのですが、その3日間を使い切って翌日の4日目から休業補償がつくことになりました。
入院日から退院するまで丁度2週間(14日間)の期間でした。
退院した後に、この2週間分の傷病手当金を職場へと申請しています
標準報酬月額の何%が支給される
まずは目安が気になっていたので職場の事務所で質問したところ、普通に就業した場合のおおむね60%が還付金として戻ってくると言われました。
ざっくりとした計算ではありますが、入院期間分の普段のお給料が15万円としたならば
15000 × 0.6=90000円 この9万円が戻ってくるお金と言えます。
②気になる?還付金はどのくらいの期間で支給される?
次に還付金がどのくらいの期間で戻ってくるのかも気になる点ですが、それぞれ以下のようになります。
- 共済保険・生命保険の加入者の場合
- 傷病手当の還付金の場合
- 健康保険組合からの支給金
還付金の種類 | 支給期間(目安) | その他 |
①共済保険・生命保険 | 書類提出後1週間~1か月※ | 必要書類の提出が必要 |
②傷病手当 | 書類提出後1か月~2か月 | 勤務先の協力が必要な場合も |
③健康保険組合からの支給金 | 書類提出後2週間~1か月※ | 付加給付や高額療養費などが該当する |
また、健康保険組合から手続きなしでお金を戻す方法もあります。
大手企業の健康保険組合に見られる方法で「被保険者が行うことが何もない」ものです。
これは健康保険組合が、被保険者の医療費負担が自己負担限度額を超えたかどうか、またその金額がいくらになるかを確認から計算までしてくれて還付までを行います。
とても助かる便利な手法なので、もっと普及してほしいですね!
入院した際のお金について知っておきたいこと

普段の日常生活以外に多くのお金を支払うことになる入院費用。
実際に自分が入院して思った、生活面で気を付けておきたいことを3点ほど書いておきます。
①入院した際の支払いの問題について
※もし退院時に支払いができない場合は?
あとで還付金が返ってくるとは知っていても、いったん費用は支払う必要があるのが入院治療費用です。
十分に備えのある方はともかく、そうでない方は入院もできないのか不安だ・・・そのようなことは絶対にありません。
医療費が思ったよりも高額で支払いが厳しいな・・・という場合は「高額医療費貸付制度」を活用してみましょう。
これは高額医療費が還付されるまでの期間に無利子で貸し付けをしてくれる制度です。
高額医療費が返金されるまでは約3か月とされていますが、支払いに充てる資金として、高額療養費支給見込額の8割相当額を無利子で貸付をしてくれる制度になります。
もっと知りたい方は下の資料を読んでみてください。
参考:高額医療費貸付制度 | こんな時に健保 | 全国健康保険協会
②退院した月の給与は下がるので、貯金がないとキツイ?
入院には何かと出費がかさみました。
まして世帯主の自分が入院している間は、収入面での不安はずっとありましたし、いつ家族の誰が入院するかなどは予想もできないので、普段から貯金しておくのはとても重要です。
あとで還付されるとはいえ一旦支払いはする必要がありますし、生命保険などでは手術をしたかそうでないかによってで(医療点数により)還付される金額にも違いが出てきます。
③還付金や生命保険からの支払いが支給されるまでの生活リズムは?
日頃から十分な貯えがある方は構いませんが、医療費を支払ったことで生活費に支障が出てくる方もあるでしょう。
生活費としてのお金や支払い、または子供さんの学費などの支払いに支障が出てしまう・・・このような時は病院に相談してみましょう。
理由を話して相談すれば、分割にしたり月をまたいでの支払いならばどちらかだけを待ってもらえるケースもあると聞いたことがあります。
一人でずっと悩まずに、必ず良い方法がありますので、困ったならば窓口で相談してみましょう。
支払いのことで同じ悩みを持っている方は少なからずいるからです。
まとめ

入院した際にもらえるお金についてまとめてみました。
私の場合の還付金支給期間ですが、生命保険が約2週間後、傷病手当が1.5か月後で、健康保険組合からの支給金は2か月後でした。
保険会社や組合は期間によって異なりますので参考までにしていただければと思います。
入院は突然やってくるので普段から備えておくことがとても重要です。
この記事があなたにとって参考になってくれれば幸いです。
ここまでお読みいただいてありがとうございました。